2022年(令和4年)11月26日 中部経済新聞 掲載
循環型素材の新ブランド本格始動
アパレル企業へ提案加速
繊維商社の瀧定名古屋(本社名古屋市中区錦2の13の19、瀧健太郎社長)は今秋、
循環型素材の新ブランドを本格始動した。
アパレル企業などと組み、着なくなった服を回収して再び新たな服や、ハンガー等の
什器(じゅうき)に再活用する。環境配慮への関心が高まるなか、回収した衣料品を
無駄なく再活用できることを強みに提案を加速する。(黒川鈴子)
ブランド名は「Re:Project(アールイープロジェクト)」。
社内で今春、プロジェクトチームを立ち上げた。
今秋出展した展示会から発信を強化している。
回収した衣料品のうち、ウールが8割以上使われているセーターなどを、一宮市内等の
工場で再びウール服地に再生する自社ブランド「RE:NEWOOL(リニュール)」のほか、
ポリエステルや綿などの素材別に再生した服地のブランドをそろえる。
協業先のアパレルブランドの店頭に回収ボックスを設置し、消費者から着なくなった
服を集める。各店から回収した服は、回収業者を通じて国内の協力工場で再び綿状に
戻し、紡績して糸にする。
集めた服を素材ごとに仕分ける際に、どうしても再生が難しいものは、国内工場で
加工して樹脂素材に混ぜ、プラスチック製品などに再加工する。
ブランド「Re:Material(アールイーマテリアル)」として、店舗で活用できるような
ハンガーやマネキンのほか、アロマポットなどの雑貨に生まれ変わらせる。
消費者の環境配慮への関心が高まるなか、廃棄される服や生地を再び服や商品に再生
する「アップサイクル」に取り組む企業が増えている。
プロジェクトリーダーの白井勉氏は「回収された衣料品のうち、実際には服に再生
されないものも多い。着なくなった服その後のストーリーを作ることで、
アパレル側もブランドイメージを立てやすくなる」と話す。